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追憶の79のレビュー・感想・評価

追憶(2017年製作の映画)
3.6
オープニングのクレジットが昔の東宝や東映作品を思わせるいいクレジットだった。そしてまた映し出される荒波や吹雪も良き日本の風景だと噛み締めさせてくれる。

こういう作品は、まず原作がすごくて、また原作の設定がすごい。だからストーリーに圧倒されちゃうんだけど、過去を遡って映し出す時のフィルターのかかり方とか、ロケーションは最高。何より気に入ったのは、安藤サクラの25年前がすごく昭和の女感が醸し出てるところ。飾らなくて日本人らしい切れ長の目におでこの狭さ、黒い髪。

この作品見て思ったのは、ちゃんと「さみしい」って言うことの大変さとか大切さと、誰かがいるっていいなぁってこと。作品に出てくるいろんな”あの時”、ひとりじゃなくて良かったね。
そして過去を追う現在でおこるいろんな”その時”も、ひとりじゃなくて良かったね。

わたしが住む街も、規模は違えどそれなりの田舎だから、こういう人たちが住んでて、こういうことが起きてるのかもしれない。想像では映画の中の舞台が現実生活に反映できて、今過ごしてる家族との生活を少し違う目で見た気がした。

映画としては短くスッと終わってしまった気がして、登場人物の背景とか、子供のこととかすこしドラマをもう少し見たかったな。物足りなく感じた。
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