AMY

彼らが本気で編むときは、のAMYのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
3.5
すごくほっこりした
全体的に”Any Day Now”に似てるなという印象

公開当時から気になっていた作品で
おおよそのテーマは知ってたんだけど、なぜ編み物なんだろうと思ってたんだよね
謎が解けた!


これは個人的にずっと思ってることだけど、人間って未知なものに嫌悪感を抱いたり、拒絶してしまいがちな弱さを持っているような気がする

もちろん知った上で悪意を向けてくる人もいるけど、大概はなんとなく嫌とか自分の中で勝手に決めた”基準”と違うから嫌とか曖昧な理由な気がする

実際トモも最初はよくわからず、みんなが気持ち悪いといじめるから、カイにしゃべりかけるなと冷たく当たったりしてたし、男の子に好意を寄せるカイを気持ち悪いと一蹴したりもした

でもリンコさんと出会って、よくわかっていない自分に気がついたから図書室で心と性の本読んでたんだよね
そして、男としてとか女としてとかじゃなくて、1人の人間としてリンコさんと向き合ったことで、理解した

理解したからこそ、安易にリンコさんを傷つけてくる人が許せなくなったし、リンコさんが傷つくような世の中に悔しいと思うようになったのかなと

みんながお互いを1人の人間として尊重して関わり合える世の中になったらな


リンコさんの人柄がすごく良かったけど、あれはあのお母さんから来ているなと思えた
リンコさんのことを理解して受け止めて、寄り添ってくれるお母さん
思春期のシーンは思わず涙

そして、リンコさんを演じた生田斗真がすごすぎる
所作まで演じきってた

“Any Day Now”の時も思ったけど、血の繋がりがあるからや家族だからといって、必ずしも一緒にいることがベストじゃないし、それが本人にとっては心休まらない環境の可能性もある
その人にとって居心地の良い場所や人は、その人にしか判断できないと思う

でも、ネグレクトや虐待を受けている子どもたちって、どんなに酷いことをされてもやっぱり母親や父親のことを嫌いになれない、むしろ追いかけてしまうものなのね…
AMY

AMY