Sachika

92歳のパリジェンヌのSachikaのレビュー・感想・評価

92歳のパリジェンヌ(2015年製作の映画)
3.6
たまたま5/6がアクティブシニアの日だったので、素敵なおばあちゃんの作品を3つ①

92歳の誕生日。
ついに車の運転ができなくなり、自分の"できる事"が少なくなっている事を目の当たりにしたマドレーヌ。
誕生日会の最中に「2ヶ月後に逝く」と家族に尊厳死を申告し、身の回りの整理などの終活を始める。

死を決意し、前向きになるマドレーヌ。
死ぬまでにやらなくてはいけない事をこなし、逆に生き生きと過ごす。
同時に身体の衰えにより、病院では死にたくない!と余計に尊厳死への気持ちを固くしていった。

しかし一方で、それを受け入れられないのは残される家族。
長男のピエールは聞く耳も持たず、最後まで真っ向から反対。
娘のディアーヌは賛成はしたものの、楽しい思い出が増える度に、母の死が余計につらく感じる。
ディアーヌの息子、お手伝いさん、隣人。
マドレーヌの周りの人々が、すごく素敵で尊厳死への考え方がそれぞれだった。

わたしの周りにも「60歳になったらスイスに行って安楽死したい」とか「今の時代、死に方だって選べる」と言っている人がいて、尊厳死したいならいいんじゃない?くらいに考えていたのだけど。
マドレーヌが死に前向きになる一方で、残された家族の気持ちはどうなるんだ、ってすごく考えさせられた。
わたしは母が尊厳死を選んだら、やっぱり全力で止めるし、反対するよなあ。
Sachika

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