らんらん

エル ELLEのらんらんのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.5
フランスの映画、たぶんヒューマンドラマ系?
主演、イザベル・ユペール

【内容】
冒頭から主人公ミシェル(イザベル・ユペール)が自宅に押入った覆面男に暴行、レイプされる場面から始まる(ミシェルはゲーム会社の社長、離婚していて大きな家に一人暮らし、50オーバーのオバさん)

コトを済ませた男は去っていくのだが、ミシェルは落ち着いて服を着て割れて散乱したお皿の掃き掃除を始める、特に感情を見せず騒ぎもせず、警察も呼ばない
次の日息子が訪ねてきて顔の傷のことを聞かれても自転車で転んだ、で終わり

その後、レイプ犯からと思われるメールが届き、危険を感じて取った行動は、屋敷の鍵を替えたり、防犯グッズを買いに行ったり、それだけ

ここでミシェルの過去メモ
39年前にルガーヴ通り殺人事件というのがあって
犯人は実の父親(終身刑、存命、事件以来一度も会ってない)
犠牲者多数(27人?+犬とか猫とかも)を出し、マスコミ報道も加熱し、現在でもニュースで報道されるくらい知られた事件
そのトラウマみたいなので警察と関わるのが嫌みたい

ということで何事もなかったかのように普通に生活していく描写が続く(中身は全然普通じゃなく色んなことがドラマティックに起こりまってるけど、主人公はずっと冷めてる)

中盤くらいからレイプ犯の覆面男の正体が隣人だとわかる(再びレイプしに来たところをなんとか反撃して判明)
だがレイプ犯が隣人だとわかってもやっぱり何もしない、普通に近所付き合いをしてる
それどころかレイプされに男の家の地下まで付いて行っちゃったりもする

ラストは、そんな異常な関係を清算しようと警察に行くと男に告げて別れたら
その後男がいつもの格好でまた襲ってくる、いつものようにボコボコ殴られてるとたまたま?駆けつけた息子が母親を助けるため男を後ろから思い切り殴ったら死亡してしまう
警察の取り調べにミシェルはまさか犯人が隣人だとは思わなかったと答えるのだった

【感想】
凄い映画だった、見応えあった
主演のイザベル・ユペールが凄すぎる、うまく言えないけどとにかく凄かった
っていうか振り返るとこの映画ずっと主人公視点だと思う、主人公映ってない場面ないんじゃないかなぁ

とにかく主人公の描写って映画、それをリアルに見せていくって感じ
なんだろね、わかるようなわからないようなってやつ
基本的に捻くれたクソババアで、イカれてもいるんだけど、そうなるのもわかるっていうか
主人公だけじゃなく周りも結構凄いんだよね、うん、やっぱりわかるようなわからないようなって感じだよ

思ったのはこうありたい、みたいなのあるよね
強がってるのかもしれないけどあんな風に強く生きたいもん
クソババアだけどクズではないんだよね、ちゃんと社長して社会的に成功してるし、ダメな元夫や息子をなんだかんだフォローする優しさもあるし
人物描写の細かさが凄いなぁと思う、いろんな面があって当たり前だもんね、そういうところもリアリティがあって良かった

・まとめ
とにかくイザベル・ユペールの演技が素晴らしかった
他に誰だったらこの役出来るんだろう?とか考えちゃったもん
日本なら、とか考えてみたけどなかなかイメージが浮かばないもん
大胆さだけじゃなく美魔女的な官能さも兼ね備える役ってなると今の日本では適役思い浮かばない、昔なら小川眞由美なんかのイメージかなぁ

そして久々にフランス語の映画見たからかその響きが心地よかった、なんかフランス語っていいよねー
最近どの国が舞台の映画でも英語で話してたりするからなんか新鮮だった
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