たな

エル ELLEのたなのネタバレレビュー・内容・結末

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

アッシュガール

父の犯した過ちから流出し、現在もネット上で閲覧ができる少女の写真。灰まみれでこちらを見つめる少女、アッシュガールの映像に力がありました。
主人公は、この写真を常に不特定多数の男性に閲覧され続けています。これはもはやレイプに近いです。彼女の会社の従業員もこの写真を見て、彼女が犯されるCGを制作します。そういう私も劇場でアッシュガールを見た瞬間、性的なものを感じました。この写真にはそういう力があるんです。
主人公は長い間「見られるもの」として、顔の見えない集団に暴力を振るわれ続けてきました。
小さな頃から「見られるもの」として扱われてきた主人公が、実際暴力を受けた時、顔の見えなかった集団から個人が特定された時の行動としては、復讐に走るのもそこまでおかしなことではありません。
特に従業員に罰としてパンツを脱ぐよう命じるところは「見られるもの」から「見る側」に立場が転換するようで面白く思いました。

暴力を受けても、性行為を否定しないし自身の性欲だって認める。それって普通のことだと思います。めちゃくちゃタフだとは思いますが(笑)

暴力とは何か、性とは何か、なかなか考えさせられる映画でした。
たな

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