シネマJACKすぎうら

スティーヴ・マックィーン その男とル・マンのシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

3.6
往年の大アクション・スター、スティーブ・マックィーン入魂の一作「栄光のル・マン」制作にまつわるエピソードをとおして、彼の半生を追ったドキュメント。
この作品は、カーレースに魅了された”彼自身の思い入れ”が強いあまり、それまでの成功物語に水を差すような大きな挫折をもたらした。

マックィーンは、とにかくカー・レースそのものを、レーサー目線でリアルに表現する映画を作りたかったらしい。
今なら、ドラマ部分を排してレースのリアリズムをひたすら追求する映画の制作も(当時ほどの難はなく)実現しただろう。マックィーン並のビッグネームがあるならば。
ただ当時はそうはいかなかった。
おそらく、(恋愛とか、ヒューマンドラマありき、みたいな)強固なハリウッド・スタイルが、彼の行く手を阻んだのでは。

また、破天荒で一本気な性格も災いしたのかも知れない。そういえば、ブルース・リーにも相通じるような。。(ちなみにマックィーンはリーの弟子だったらしい 笑)

ともあれ、映画は完成し公開された。どれほど自分で満足できるものだったかは判らないが。。終盤には、マックィーンの人情味溢れるエピソードも紹介され、涙を誘う。
彼がいかにカーレースを愛し、レーサーをリスペクトしていたかを感じることができる一本。


※出演しているネット番組でも本作を紹介させていただきました!

https://youtu.be/32xuQZ93kZE