シネマJACKすぎうら

DOGMAN ドッグマンのシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.0
少なからず宗教(キリスト教)色を感じさせる作品だが、そこには「贖罪の意識」が一切感じられない。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ演じる主人公は、どこかキリストやラザロを想起させる佇まいなのだ。実は哀しくて切ない物語なるも、どこか神々しい輝きを放つのはそのせいか。

また、、人間の尊厳を可視化した映画という意味では、「エレファント・マン」や「私はダニエル・ブレイク」に続く系譜を孕んでいるとも受け取れる。少なくとも、宣伝コピーで謳われているような、「ダークヒーロー爆誕」の物語ではない。

もしかしたら、、リュック・ベッソン 流サスペンス展開に揺さぶられる初回鑑賞よりも、ことの顛末を解ったうえで観る2回目のほうが、涙腺を刺激されるのかも知れない。