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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのKUBOのレビュー・感想・評価

4.0
私は今のマックはあんまり好きじゃない。薄くてちっちゃなバーガーで、安かろう不味かろうって感じだ。高くてもモスの方が好きだ。

だから、映画を見始めて最初に思ったのが、ハンバーガーがデカい!ということ。今のマックの倍くらいデカい! 子どもの頃、小学校の近くに初めてマクドナルドができた頃は、口を大きく開けても食べられないくらいのビックマックのデカさにビックリしたものなのに…

前半のマクドナルド兄弟ふたりが1号店を出すまでの件は、成功物語として楽しく見られる。店内の導線を確認するために行われたテニスコートの件は最高だ。

中盤、クロックがフランチャイズ方式を思いつき、その方法を確立していく件も、最初のうちは「マクドナルドは新しいアメリカの教会になる」とか「マネージャーをユダヤ人教会でスカウトする」とか興味深いエピソードがあっておもしろかったが、

終盤はどんどんきな臭くなって、これぞアメリカンドリームという資本主義の暗部が浮き彫りにされ、マックを食べるのも嫌になる。「THE FOUNDER (創始者)」というタイトルが大いなる皮肉であることが思い知らされる。

それにしてもマイケル・キートンの「バードマン」以降の活躍は素晴らしい。どんどん野心に満ちた眼差しに変わっていく怪演が、本作のテーマそのものだろう。

(余談:私が小学校5年生の時、小学校近くにマクドナルドができた。小学生の間でも話題になったが、開店後すぐに広まったのが「マクドナルドって猫肉なんだぜ」という噂。「俺、見たんだ」とか言う奴も出てきたりして、当時はみんなで「ねえ、知ってる? マクドナルドって…」って噂を広めたっけ。くだらないけど、懐かしい話です。)
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