もけ

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのもけのレビュー・感想・評価

3.5
最終的にこうなるとは思ったけど。

誰でも一度は食べたことがある、あのマクドナルドをもり立てた「創業者」の話というので、なんかおもしろそうと思い、ようやく観ることができました。

まず、マックとディック兄弟にたどり着く前の、当時の一般的な大衆飲食店は、車に皿ごと持っていくことに驚き。
それから、マック兄弟がファーストフードを発明したことを知って感動。
今から考えても、その発想の転換はイノベーションだと感じるほどなのだから、当時からしたら相当なことでしょうね。

それから、レイが強行にフランチャイズ化を進め、弟が考えたあの「ゴールデン・アーチ」のついたフランチャイズ店が次々開店…
この、強行で急速な開店ってヤバみしか感じないな、と思っていたら、案の定。

結局、行き詰まって倒産じゃない方のヤバみに突き進んでいったわけですけど。

展開的には『グレイテスト・ショーマン』を思い出したし、一発当てる偉業を成し遂げるような人間は基本「クズ」なんだなと理解しました。
冒頭にthe power of positive thinking が出てきたとき、「この名前どっかで見たような?」と思ったら、やっぱり『シェイプオブウォーター』のストリックランドが読んでた本で、最後もこの本で締め。
乗ってる車もティール色。
アメリカ大統領の愛読書でもあるというところも合わせると、後の展開はとても想像しやすい。

兄弟が品質にこだわる一方で、どんどん儲けに突き進んでいくレイ。
シェークを増粘剤たっぷりの加工品に変えるというくだりは、マクドナルドらしさが描写されていたし、ここまで突っ込んで映画にするなんて、勇気あるなと思いました。
おかげで、それまでは「久々にマック食べようかな!」と思ってたのに、一気にトーンダウンしました 笑
もう、あのシーンはマクドナルド、ファーストフード、資本主義の象徴ですね。

資本主義のエグみを軽やか仕立てにしてポップに描いているから楽しく観られましたけど、
これだけブラック企業が軒を連ねてるのを思い出すと、あんまり笑えないお話ですね。

果たしてこの映画を観た後、マクドナルドに行きたくなるのか、いきたくなくなるのか?
もけ

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