姉の遺した子供をどーするか、という話と、主人公が自分の人生をどーするか、という話の二本立てなワケだが、この主人公、かなり終盤まで中々に残念人間ぶりがこっぴどく、結局子供の話はなんと子供がほぼ自分で解決してしまう、という部分には、正直言ってやや呆気に取られた（しかし、ダメダメなのは主人公ばかりでもなく、最初から「父親を捜す」という当たり前に本命な選択肢を探しにいこうともしない叔母とやらも、偉そーにしてる割には相当に大概だと思うケド）。
「泣き屋」という要素も（過去には実在したとはいえ）当然架空のもので、かつ、つくりものとは言えの「リアリティ」が十分か、という部分には、かなり引っ掛かるモノがある。一番気になったのは、結局ローカルな営業形態に留まっている訳で、だから結構「顔が割れてる」ハズだろう、と。それであのプロのおばさんがゆーような仕事が、果たしてホントに出来るのだろうか、とふと思ったりも。
とは言え、その仕事から何某かのキッカケを拾って、少しだけ前向きになって再出発していくというほんのりポジティブな奥ゆかしさは個人的には割と好きだし、演技・演出にも中々こじゃれてるな～という巧さが随所に見られた。あと主演の久保陽香ちゃんは、その何とも幸薄そうな感じがこれだけはいかにも「泣き屋」という感じで（葬式で泣いてたら「映える」な～という意味で）、率直にグッドキャスティングだなあと思った。結論的には、まあまあ。
