さむ

花戦さのさむのレビュー・感想・評価

花戦さ(2017年製作の映画)
5.0
茶道の所作の由来を知ると恐ろしく殺伐としていて驚く。それはほぼ武道に近い。それならば華道は・・?その答えを知りたくて本作を観た。

野村萬斎、4代目市川猿之助、伝統芸能の彼らは、立ち振る舞いの土台が既に出来上がっているので安心して観ることができる。
そして佐藤浩市の千利休。佐藤浩市の「浮かばれない役」はやはり絶品だ。
個人的には、大河ドラマの芹沢鴨役。数ある出演作の中でも特に私のお気に入りだ。

自分の考えを自由に表現できなかったあの時代に、芸道を通して表現する戦い方。命を賭けても守りたい自分自身の信念。曲げられない信念。
観終わった後、明るい一筋の光が射してきたような心地よい終わり方だった。

学生時代に華道(古流)を習っていたことがあるのだが、古流から見て池坊は一言で言えばロックだった。

松と掛け軸。いつかあんな花が生けられたら、と思う。
さむ

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