友

花戦さの友のレビュー・感想・評価

花戦さ(2017年製作の映画)
4.2
動きのない静止画の生けた花に
見事に躍動感があってまさに花の映画。

川辺に人がゴロゴロと死んで朽ちるのが日常の
そんな救いの無い時代に花を仏に生ける事で世の安寧を祈るお坊さん達のお話。

生粋の日本人ですが華道も茶道も全く知らない世界で、丁寧に描かれていなければ「?」で終わっていたかもしれない。
また池坊専好さんの生けた花の素晴らしさったらない。直にこの目で見てみたいと思った。
花の力強さが凄く綺麗。
これは自分が大人になったからこそ素晴らしさが分かるようになったのかなと思うと、映画館の平均年齢が高かったのも頷ける。
上手く言えないけれど花の凄さを教えてもらった。
理不尽で非情な圧政の中でテロのような暴力の戦いではなく“花の力”で戦う。
なんて懐の深い強さなんだろう。
花の力って言葉がサブタイトルでもいいぐらい
たくさんの花の力を描いた映画。

野村萬斎さんはのぼうに次ぐお茶目キャラだと思ってたら、お茶目というより喜怒哀楽がくっきりした人で萬斎さんの表情の豊かさと繊細さが存分に発揮されてた。
あと最初佐藤浩市さんに利休のイメージがなかったけど、観てるうちにピッタリだと思った。上手く言葉に出来ないけれどこの映画の利休には感情移入しまくりで、あの強さと弱さに泣けてしまった。

でも最後のシーンがマイナス点。
最後のセリフで終わってた方が好きだったかな。
友