実話を元にした戦後の悲劇の話。
これが実話なのも悲しいが、
何より戦後に起きた出来事というのが1番悲しい。
やっと辛く苦しい死と隣り合わせの戦争が終わったのに
踠きながらなんとか戦争を生き抜いたのに
もう戦争は終わっているのに
捕虜として、戦犯として10年以上も強制収容所で過酷な抑留生活をしなければならなかった、その無念さがあまりに悲しい。
最初、山本さんがどんな人なのか分からないままいきなり始まるので変わり者感が拭えないまま話が進んでしまうのが勿体無いなと思った。
家族と別れてしまう前の「いつもの彼」がどんな人なのかがもう少し分かってれば、絶望的な状況で歌が歌えるその穏やかな強さを感じれたのになぁと思う。
結果を嘆くより、避けられない結果を前に
それでも「自分の出来ることを考える」
その事そのものが希望になっているのが
過酷で無情な世界で生き抜く糧になる。
その事が実話というのが胸にくる。
最初は悲しくて泣いていたのに
一人、また一人とその糧を届けるシーンでは
胸がいっぱいで泣けてた。
北川景子さんが少ないシーンながら凄く良かった。
会いたいと熱望する姿が悲しくも強くて良かった。