柊

ウインド・リバーの柊のレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.6
アメリカに於ける人種差別と言えば、黒人に対する差別が圧倒的に取り上げられていて、本来の先住民であるネイティヴと言われるいわゆるインディアンへの差別はひたすら隠される。言って見れば隔離移住だから問題はもっと深刻なのに…アパルトヘイトだって国際的には解決の道を辿ったのだから今更大国の恥部を晒すなど許されないのか?闇に葬りたいのだろう。故にこの現代に於いてもネイティヴアメリカンの少女の行方不明者の数すら把握されていない。

この世に起きている事で知らなくて良いなんてほんとは何一つない。きちんと知る事が人を作って行くのだと私は思う。どう知って何を学ぶかはそれぞれではあるけれど…

訴訟の国アメリカでも、法すら届かない場所。我が子を理不尽に失くした悲しさは、絶望の地と相まって全てが雪の下に永久に隠されてしまいそうな中で執念が勝った。
法の下にこれが最善の結果なのか?と問われればそうではないのかもしれないが、現段階では他の方法ではある意味納得がいかない。
それにしても銃社会は怖い。普段から防弾チョッキ付けていても生き残るのは運くらいにしか思えない。あんな雪原での銃撃戦遠慮も何もあったもんじゃない。
ジェレミー・レナー着替えた白い衣装が孤高に見えた。最終戦に相応しい出で立ちでした。
柊