エイデン

アンビュランス911のエイデンのレビュー・感想・評価

アンビュランス911(2015年製作の映画)
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1977年
救急無線を盗聴していた男ジミーは、ブリストル郡パインバレンのアッシュ・パイン・ロードでの事故の通報を聞き、2人の息子を連れ偽の救急車に乗って現地へと赴く
救急隊員になりすましたジミーは、脚を怪我して動けない女性に介抱するふりをして近づくと、そのまま殺害し血を舐めとっては光悦に浸るのだった
そして現在
アッシュ・パイン・ロードは危険な交通事故多発地区として知られるばかりか、20年で31件もの放置車両が見つかる曰く付きの場所として知られるようになっていた
それが救急隊員に扮した殺人鬼によるものとは誰も知らず、更にその犯人はジミーの息子達ダリルとジョンに引き継がれていたのだ
一方、地元の女子高生エイミーは、親友であるエンジェルと喧嘩をしていた
エンジェルが最近付き合い始めた青年ブラッドの素行の悪さを指摘したことに端を発するもので、その日も遊びに出かけるというエンジェルとエイミーは口論をしていた
そこにやって来たのはブラッドと、クラスの女王的存在であるレイチェル、その彼氏ジェイソン、更には彼らの取り巻き達だった
レイチェルは学校でも目立たない存在であるエイミーを馬鹿にすると、それに続くようにエンジェルもモテないのを妬んでいると言い捨て出かけて行ってしまう
エンジェルら6人は2台の車とバイクでアッシュ・パイン・ロードへと向かい、危険な運転をして盛り上がっていた
そこでレイチェルは度胸試しと称して、ブラッドとジェイソンが運転する2台の車の窓枠に片脚ずつ乗せて立って見せる
真似できないだろうと挑発するレイチェルに乗せられ、エンジェルも挑戦を試みる
慎重になりながらもやってのけるエンジェルを見たレイチェルはそれが気に食わず、ジェイソンの運転の邪魔をする
ジェイソンはハンドル操作を誤り、エンジェルは走行中の車から落下、瀕死の重傷を負う
ジェイソンはすぐに救急車を呼ぶが、エンジェルは搬送先の病院で亡くなってしまう
事情聴取をするヒギンズ巡査部長に対しては、レイチェルの命令で全員が事故だと口裏を合わせるのだった
後日、葬儀の席でスピーチをしたエイミーは親友の死に嘆き悲しむが、密かに談笑を楽しむレイチェルを見かけて怒りを募らせるが・・・



偽救急隊員の殺人鬼兄弟を描いたスリラー映画

邦題通り偽救急隊員の活躍が観られるのかと思いきや、学生達の何やかんやが始まるという謎プロットにハンドルを切る
しかもこの手の映画では添え物であるはずの被害者達のシーンがやたらと長いので、一体何を観てるのかわからなくなってくるという
人物描写も時間をかけた割にはよくわからないままなので、親友が死んで傷心のエイミーが突然 豊胸手術を志すくだりは展開としてサイコ過ぎた

また時系列的にもクチャクチャになってるので全体像が掴みにくい上、掴んだところでそこに何もないのは恐怖だった
後半 伏線が無いのに伏線を回収しようとしてるような描写もあって展開について行けなかった・・・
ただ謎に殺人鬼兄弟の過去バナやらは頑張っており、ゴア描写も悪くない
完全クソ女だったレイチェルとクソ女仲間達がきちんと殺されただけでも良かった

そしてフィルマークスに投稿しようとした時に気付いたんだけど、監督がアラン・スミシー
映画ファンならおなじみなんだけど、実は架空の映画監督の名前だったりする
全米監督協会に訴えて審査の後に使える名前で、監督のポストに空きができたり、名前を載せたくない場合に使われるもの
今ではほぼ使われないこともあって海外サイトで何故かと調べてみたら、監督の本名はクリスチャン・ウィンタースで、製作中に自分の制御から離れたのがアラン・スミシー名義の理由だとか
匙投げちゃってるじゃん・・・

ちなみに殺人鬼兄弟の兄ダリルを演じてるのは往年のホラー映画によく出てたビル・モーズリー、弟ジョンを演じてるのは、『13日の金曜日』シリーズでジェイソンを4回演じてるケイン・ホッダーという
そりゃ面白いのを期待しないこともないけどな

「心配するな、救急隊員だ」って言われて殺されるの、我々がB級映画のジャケットに惹かれて内容に八つ裂きにされるのに似てない?
似てない?そう・・・
エイデン

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