RYUYA

最後の追跡のRYUYAのレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.0
銀行強盗を繰り返す兄弟と、老年のテキサスレンジャー。
これが見たくてNETFLIXはじめました。
はじめてよかった、傑作でした。

『ノーカントリー』と思いきや『マーシュランド』と思いきや、また違う重みが背中にのしかかる。
「人間を描く」ということ=人間を撮る。
これが間違いだったのを遠回しに指摘するような、一歩引いた視点の面白さを教えてくれるカッコイイ映画。
犯人を後ろから狙撃するシーンがあったけど、
この映画は、映画界を後ろから狙撃してる感じ。

『マンチェスターバイザシー』でも思ったことだけど、勝ち負けを描かない映画は強ぇ。それって、ものすごい選択だよな。

加え、とにかく俳優も素晴らしかった。
強盗犯の兄弟のバランスが本当に良くて、
兄はクレイジーだけど、行き過ぎて無くて、背徳感にビクついてる部分もベン・フォスターはちゃんとチラ見させてくるし、
驚いたのはクリス・パインで、頭脳派だけどバツつきの静かなるダメ色男を黄金時代の名優のような佇まいで見せてる、確実にキャリア史上の名演。
おそらく誰もが良い印象を抱かぬであろう、相棒の人種イジリが止まらないジジレンジャーのジェフ・ブリッジズは安定の抜け感で、ラストの対峙でまさかの真顔の新境地を見せてくれる。

この3人以外の俳優がある日全員UFOにさらわれたとしても、2〜3年は映画業界回り続けますよ。ガーサス(さすが)っすもん。
RYUYA

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