ブレードランナー 2049(字幕版)
歴史的映像作品の見事な続編!ながらも、人の入りが今ひとつなのも納得のハイコンテクストムービー。
ドゥニ・ヴィルヌーブは今に生きる最高峰の映像作家の1人であることを改めて実感しました。
完全なるSFでありながら、その世界が実在するのではと錯覚させる画づくりと演出の見事さ。
圧倒的な世界観を構築した前作の流れを引き継ぎつつアップデートして、その世界観の30年後であることへの納得感を持たせる。
多くの作品が続編を作ることで、むしろ元の作品にマイナスのイメージを植え付けてしまっていることを考えると、期待通りどころか期待以上の作品を作ってしまうのは、最早、天才としか言いようが無い。
前作と本作の内容については、町山智浩さんも宇多丸さんも高橋ヨシキさんも、岡田斗司夫さん(前作の2時間解説は面白かった!)だって存分に語っていらっしゃるので、最近、ちゃんと前作を観たばかりの僕が書くことは無いですが、正直、前作は観ておいて良かったです。
観ておくと更に楽しめるとかじゃなくて、観ておかないと良く分からないシーンがあちらこちらに有る。
町山さんが「号泣する」って仰ってたシーンがあるんですが、個人的には前作を1回しか観てないもので、とあるキャラクターへの思い入れがほとんどなく、少しゾワっとしたくらいだったので、何回か観ておくと更に感動できると思います。
とは言え、前作はDVDで観るには、事前の休息と覚悟が必要なので、映画館でかかっている内に丸の内ピカデリーに行っておいた方が良いんじゃ無いかと!
ライアン・ゴズリングの無表情キャラはピッタリだったし、ロビン・ライトは怖いし、アナ・デ・アルマスは恐ろしく可愛いし、ハリソン・フォードのキレの無いアクションは健在だし、前作のあいつがまさかのタイミングで出てくるし…とキャスティングは満点じゃないでしょうか。
加えて、観たことが無いような映像の連続で、特に、アナ・デ・アルマスの着せ替えシーンや憑依セックスシーンでとか、ただただ画づくりの見事さに感動させられました。
音楽も、ヨハン・ヨハンソンではなく、ノーラン作品でお馴染みのハンズ・ジマーということで、正直、ヨハンソン作の方がヴィヌ作品には合うかなと思いつつ、前作の空気感を踏襲しつつハンズ・ジマー作品らしい圧迫感のある背景になってました。
撮影は、お馴染みロジャー・ディーキンス。ヴィヌ監督作品と言えば俯瞰のショットが印象的ですが、これだけ壮大な世界観の中でも健在だったのは、彼の腕があってこそでは。
まだまだ理解しきれてないポイントがいくつも有るので、少なくとも、あと2回は観に行きたいと思います。(IMAX3Dと極上爆音行きたい)
あ、前作と本作の間の短編3本がyoutubeで公開されてるんで、鑑賞後は、こちらもお見逃しなく!