たいてぃー

わたしは、ダニエル・ブレイクのたいてぃーのレビュー・感想・評価

4.0
本作のポスターからすると、仲睦まじい3世代のハートウォーミングな物語ではと推定したが、内容は現在のイギリスでの福祉に関する過酷なもの。
これまでイギリスは、日本よりも福祉先進国で、対象者は恩恵を受けていると勝手に思い込んでいた。ところが本作を観てわかったが、緊縮財政政策などにより、その認定が相当厳しい。こんな現況にパンチを繰り出すべく、ケン・ローチ監督は、引退を撤回してまで本作を製作。リアル過ぎでテーマ性がキツイとこは、若干の抵抗感はあるが、画面からは、監督の思いがひしひしと伝わってくる。
主人公ダニエル役は、映画初出演のデイヴ・ジョーンズ。コメディアンとしては、有名とのこと。審査官との会話やパソコンのマウスの使い方とか、コミカルな演技がいい。
ところで、このダニエルがケイティの子供にクイズする「ココナッツとサメ、どちらが危険?」。知らなかったが、これは、死亡する確率の話で学説もあるとのこと。いつ、落ちてくるかわからないココナッツの危険性に、ダニエルの境遇を重ねたって、ことか。
本作は、鑑賞料金からのチャリティー金50円、そして映画館によっては、フードドライブの名で、缶詰などを募集し、必要な方に配布する活動に協力しているとのこと。そう、缶詰。このような活動が映画を通じて展開されること、とても素晴らしい。
本作を観ていない方、是非とも缶詰持って映画館へ!