KATO

わたしは、ダニエル・ブレイクのKATOのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

中弛みなどなく淡々とストーリーがつづいていく。
暖かいシーンのはずなのに、ずっと冷たいものがまとわりついてきてなんでだろう?と不思議だった。
ラストまでの失踪感と失望感は、初めてだった。
直前まではそんな雰囲気などなかったのに……と。
「たすけてくれた?」
「たぶんね」
「じゃあ、今度は助けさせて」
このやり取りが涙を誘う。誰かのための気持ちはこんな風に帰ってくるのだと。

そして、知らないことがたくさん知れた。私たちは自国以外に目を向けて羨ましいと口にすることが多い。でも、それは実情を知っての言葉なのか。知らないからこそ言えることもあるのかもしれない。知っていたら、私は本当に羨ましいといえるのか。知らないことは知ろうとしないことでもあるのか。
ラストのダニエルの手紙での言葉は胸に刻み付けられる。
KATO

KATO