ロビン

ローサは密告されたのロビンのレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
3.5
フィリピン映画。
手持ちカメラのドキュメンタリーさながらのリアリティさが凄い。
長回しの撮影もリアリティを高めている。

同国における麻薬の日常的蔓延や、警察の腐敗と退廃の実情を痛切に浮き彫りにした作品。
なのでデフォルメしたのではなくこれが日常だと言うことに愕然とする。
主人公は日用雑貨や食品を販売する店舗で商売しているが、麻薬も秘密裏に実際売っていたので警察に連行されたのはある意味“自業自得”ではあるけれど、そのひと言で切り捨てるにはあまりに腐敗した社会。
そして腐敗しきった警察は高額な保釈金を要求し私服を肥やしている。
この現実を説教臭くなく、不条理劇のように描写している。

劇中における「アイス」とは、スラム街の住人たちの間で交わされる覚醒剤の隠語のことらしい。。

荒い画質だけど、夜の雑多な狭い通りに人があふれ、雨が降りしきるシーンはちょっぴり「ブレードランナー」のよう。。。

ローサが団子食う姿が切ない絶妙のラストシーンで、余韻に浸れる作品。
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