このレビューはネタバレを含みます
正直、ライヤって周りの人間から見れば少しだけ鬱陶しい女なところもあると思うんだ。
予定外にマネージャー宅についてきたり、練習にもついてきたり、「なんでいるの?」と陰口叩かれるタイプ。
でもこの作品の美しさってそこにある気がしていて、彼女の行動原理は「彼と一緒にいたい」という一点なんだよね。
オリ・マキがライヤに
「みんなを失望させたら…君も含めて」
と悩ましい気持ちを打ち明けた時の
「何も求めてないのに、なぜ私が失望を?」
という返事が凄く良かった。
何があっても何がなくても揺るがない愛が美しい。
「いいわ、結婚する。」
普通の物語だと、それは勝った時まで引っ張るのが相場なんだけどw、
彼女には全く関係ないんだなと。
オリ・マキが、世界チャンピオンどころか無惨な負け方をしたことで、そっぽを向いた人間もたくさんいただろう。
でも周りの期待からは解放された。
マネージャーに「いいからこっちのテーブルに来い」と言われたのを軽く断って彼女と二人きりになれた。
こんな日だからこそ、それでも変わらない彼女が際立っていたよね。
すぐ隣に、変わらないものをハッキリ見つけることができた。
それを人生で最も幸せな日と呼ぶんだろう。