OASIS

マリアンヌのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

マリアンヌ(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

英諜報員の男性と仏軍レジスタンスの女性が独軍の大使暗殺任務を通して惹かれやがて夫婦となるが、妻に独軍のスパイ容疑がかけられてしまうという話。
監督は「フォレスト・ガンプ」等のロバート・ゼメキス。

仮初めの夫婦関係が危機を乗り越える事で本物へと変わる。
そんなロマンティックでありスリリングでもある、恋愛モノとスパイモノが程よくミックスされていた。
激しい空襲の中での出産、心が休まる暇も無く鳴り響く警報等日常の背景に描かれる戦争の悲惨さも迫力がある。
ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールという美男美女コンビではあるが、極力眩しさを放つスター性を抑えたような暗めの画面作りが目立っていた。

とりわけ目を惹いたのは鏡を用いた演出で、前半の着替えの場面や中盤のホームパーティの場面等でみられる、鏡の中で決して交わる事が無い互いの視線が徐々にすれ違って行きギクシャクとする夫婦間や不信感を表していた。

ラストの愛する娘への手紙を読み上げる場面には文言を喋りながら書くという安易なお涙頂戴加減にチープさを感じてしまったが、夫と成長した娘の背中を見送る妻の姿等、視線の描き方が徹底している作品という印象だった。

何処かで観たようなストーリーではあったが、そのありきたりさを演出やカメラワークでカバーし十分に見応えのあるものに仕上げているのは流石であった。
OASIS

OASIS