なかなか怖くて、ストーリーも楽しめた。
ところが世評はイマイチで、いわく「怖くない」「オチがすぐわかる」「お犬様がぁ...」だそうなーーふむ、私は世間とは感覚が違っているようだ。そんなの全然いいんだけどさ。
満遍なくジャンプスケアがばら撒かれており、痛そうなシーンもちょこちょこ挟まれる。ただ、わりと出そうな雰囲気がわかりやすく、優しい配慮⁈がされていた。どちらも若干、苦手なので自主的カット(目つむり)でやり過ごした。
2007年のクレジットだけれど、彩度が低い映像トーンがレトロな雰囲気を醸し出していて、何だかもっと古い映画のように感じた。主演女優が時々どことなく若かりし頃の沢口靖子似に見える。
終盤の展開はテンプレといえばその通りだけれど、まったく考えていなかったので良い「アハ体験」になった。例によって仏教国タイらしいカルマによる因果応報も感じる。
「女神の継承」のバンジョン・ピサンタナクーンと「心霊写真」のパークプム・ウォンプムが監督を務めている。「フェート」はタイ語で「双生児」の意。なのだけど、原題は英語で「ALONE」 二人と一人なのに、どちらもらしいタイトルに思える。
また、オムニバスホラー「フォービア2/5つの恐怖」の「最後に」は、本作の続編という設定の劇中映画となっている。見直したら面白さが倍増した。
余談だけれど、現在は体が結合している双生児のことを結合双生児と呼ぶ。しかし、私が初めて何かの雑誌で知った昭和の頃は「シャム双生児」という呼称だった。
Wikipediaによると「これは著名な結合双生児「チャン&エン・ブンカー兄弟」の出生地がシャム(タイ王国の旧称)であったことに由来し、特別にシャムで結合双生児が多かったわけではない。」とあって、へえとなった。
また、ベトナムのベトちゃんドクちゃんのニュースをバブルの頃オンタイムで見たのをよく覚えている。