takanoひねもすのたり

ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.4
このタイカ・ワイティティ監督作は好きなほうだった。頑固爺さんと子供という組み合わせ、アルプスの少女ハイジ(おんじとハイジ)が刷り込まれてる私にはちょろいやられるw

ニュージーランドの養護施設より、問題児のリッキー(ジュリアン・デニソン)を引き取った山の中で牧場を営むベラとヘクター(サム・ニール)狩りしか興味が無いヘクターはリッキーとやや距離をおくものの、リッキーは徐々に生活に馴染み始め……その矢先にベラが突然死。
養護施設よりリッキー再保護の通知が届くが、彼はヘクターとこの牧場に残りたがる。 

序盤の湯たんぽと200m家出のエピソードが良い、その後、都会っ子が田舎に来て怒涛のワイルドライフなカルチャーショックを受けるシーンの遠慮解釈の無さw
その描写も甘やかしな感じがなく、狩猟ってのはこういうことだの事実がいい「捌くの手伝って」の笑顔のベラが頼もしい。
序盤から中盤のベラが接着剤になって3人がうまくいきそうな予感からの急死展開がほろ苦いんだが、実は本題はここから。

リッキーってのが小憎たらしい少年、手を焼くだろうな、でもこいつもこいつで素直なところがあって懐かれると突き放せない感じがよく出てた、子役うまい。

リッキーに慕われ困惑しつつ時に大迷惑を被りつつ行動を共にしていく偏屈爺さんがサム・ニール。似合う似合う。

監督の作品に登場する人達は、そのキャラの個性から社会からはみ出してそうなタイプが多いけど、その個性を個性として物語の中で生かしているなあと思う。否定せず美談にせず。
ヘクターが文盲なの、現代物の中で今では珍しい設定だと思う、そしてそれを知り誂うリッキーと怒るヘンリーとの会話が至当、紆余曲折あってヘンリーが文字の学習をしているシーンとかの流れは監督の視線の優しさを感じる。