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忍びの国のsomaddesignのレビュー・感想・評価

忍びの国(2017年製作の映画)
5.0
スゴイ! 忍者映画の新しい地平を開いたエンタメ快作!
外国人が褒めたいNINJA映画はきっとこんなかんじ!
日本人が褒められたいニンジャ映画の新機軸!((o(゚▽゚○)(○゚▽゚)o))

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天下統一に向け、諸国を次々と攻め落としていた織田信長が攻め入ることができなかったただひとつの国、伊賀の国。そこには戦や殺しを金で請け負う忍者衆の国だった。無門は伊賀一の凄腕でありながら、怠け者の性分で普段は女房のお国の尻に敷かれる毎日を送っていた。そんな中、ついに圧倒的な軍勢を率いた織田軍が伊賀に攻め込んできた。武力、兵力では太刀打ちできない無門率いる忍びの軍団は人知を超えた秘策で織田軍に抗戦する。
天正伊賀の乱をモチーフに「村上海賊の娘」「のぼうの城」で知られる和田竜の同名小説を「チームバチスタ」シリーズや「アヒルと鴨のコインロッカー」で知られる中村義洋監督が映画化。

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やー、事前に何も期待してなくてフラリと見にいったら
望外にワクワクドキドキの面白忍者映画で超楽しかった!( ´ ▽ ` )
思えば中村義洋監督の前作「殿、利息でござる」も空き時間にウッカリ見たら、うっかり泣きそうになるほどのいい話で料金以上に感動した。どうも中村監督作にはフラリとウッカリの縁がある。

これまでの時代劇にあった忍者像を大きく覆した、
金で買われたどうかしてる暗殺集団って設定が斬新!
仕事がないときは意味なく派閥間で無意味な小競り合いを繰り返し、
下忍が死んだ程度じゃ歯牙にも掛けないいかれぷり。
名作「300」を彷彿とさせるスパルタ教育ぶりもサイコーだし、
スパルタ軍からプライドと自己犠牲を抜いたようなゲスの極み忍者ぷり。

主人公からして金と欲にまみれた賤しいキャラにも関わらず、観客の心をつかむ憎めないキャラに着地できてるのは無門演じた大野智の大手柄だと思う。
始終何考えてるかわからない、面倒くさそうなボンヤリとした佇まいが素晴らしく、ボケーッとしてる様とハチャメチャに戦場を駆け回るギャップも楽しかった!!!
時代劇としてのリアリティより人死にの陰鬱さをトコトン消して、血湧き肉躍るオモシロ忍者映画に昇華できたのは多分に彼のおかげ。

石原さとみ演じる国の言動が身勝手すぎてついていけなかったり、演出がところどころダサかったり(特に現代とフィードバックするとこ)するけど、画面のチープさをむしろ武器に変えた振り切ったアクションシーンは圧巻!
それでいて人が無残に殺されるシーンは、ちゃんと痛々しく感じられるから偉い! 人の命が軽い世界観にあって、軽く描かない誠実さや良d(>_< )

ジャニーズ映画とあってか女性客ばかりで男性客が全然いなかったのが惜しまれる。男の子こそウキウキワクワクする映画なのに!

76本目
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