真田ピロシキ

手紙は憶えているの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

手紙は憶えている(2015年製作の映画)
3.3
憎い隠れナチを殺すのに何故にわざわざ認知症の老人なんて不確実すぎる手を?という点が最初から気になっててある予想を立てていたのだがそれは外れた。なるほど、そっちか。そういうわけで見事に騙されてしまったのであるが、上手いことあの記憶が抜け落ちていたのにはフィクションのご都合を感じてしまってスッとは腑に落ちないものがある。

ただ4人の候補者探しの過程で当時の普通のドイツ人にあったユダヤ人嫌悪やナチの同性愛者差別、次世代に受け継がれたナチズムなど様々なナチスの姿を描いてるのには強い意欲を感じられる。こういう題材をリアルタイムで映画に出来るのはもうそろそろ限界なわけで今やらなければいけない映画だったのだろう。