ギャス

手紙は憶えているのギャスのレビュー・感想・評価

手紙は憶えている(2015年製作の映画)
3.5
シンプルに、すごく、面白かった。
観てよかった。


観る前の人は、
ネタバレ絶対避けろ!!!


ネタバレ

認知症の不安定さが、ハラハラさせる効果とともに、頑張れと応援したくなる気持ちにさせる。認知症の追体験をしながら、不自由で不安な旅を一緒にする感覚。

途中、子供に手紙の中のNAZIをナジと読ませて記憶の風化を恐れる気分にさせたり、警官を撃ち抜く腕が実は確かである伏線を疑問に思わせたり、ホモセクシュアルに対する弾圧を何気に告発したり、爆撃の音や警報の音が大きくなってくるシーン、一つ一つのエピソードが上手くできてる。

ラストの衝撃とその結果に思わず声をあげた。
" I remember. "という言葉、思い出した、という過去形ではなく、覚えている、という現在形の意味にそこに込める想いを深くした。

そして、手紙を書いた人物の涙に添うことができた。

復讐=殺しだとは思わないが(生きていた方がその後辛い人生を歩むと思うから)、ああなる結果は自然だった。
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