松田

哭声 コクソンの松田のレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.3
えらいモン見ちまった…!!!!!!!!!
色々分かんない事多いのに何でこんな面白かったのか!

まず、本当に怖かった。
怖さの種類で考えると「分からない事による怖さ」がいくつもあった。
何が起きるか分からない、誰が悪いのか分からない、そしてどうすれば解決するのか分からない…などなど色々な"分からない"という事が恐怖を煽る。
この部分は人智を超えているのでとにかく理不尽で無慈悲な展開が続く。
この辺りはがっつりホラーな要素になっていた。

そんな人智を超える恐怖を点として、心理的な部分がそれらを繋ぐ線になっていると思う。
何も分からないはずなのに、何故あの人物に疑念が浮かぶのか、何故事態が収まらないのか…この部分は人間であれば必然だからみている人はきっと理解出来てしまう。
この辺のサスペンス的な心理描写が見事だった。

そうやって点と点を結ぶといくつもの複雑な組み合わせが出来上がる。
解釈がみる人に委ねられているらしいが、まだ自分なりの答えは出ていない。それなのになんかめっちゃ怖くて面白かったなぁ…という事だけハッキリと分かっている。
チェイサーと哀しき獣で韓流ノワールの人だと思っていたナ・ホンジン監督、こんな事まで出来るのか。ある意味一番恐い人かも。

分からない事だらけで怖くて理不尽なのに、何故人は疑い惑うのか分からせられる…恐ろしい傑作だった!!!
松田

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