RAMPO

哭声 コクソンのRAMPOのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.2
自然(山、川、滝、森など)の映像が素晴らしく美しい。山間の小さな村の崩れかけた見窄らしく汚らしい家並みも、物語の不気味さを引き立てて、これ以上ない舞台セットとなっている。

キャストの演技が素晴らしい。特に呪い?悪魔付き?状態の突き抜けた叫び、狂気には、気持ち悪い湿疹メイクと相まって悪寒を感じるほど。
特に娘役の子役さん、凄いです。お父さんポンコツ過ぎてちょっと不快。

物語も凄く練り込まれてて面白い。
ただし、練り込み過ぎて何が起こってるのか、何でそんなことが起こってるのか、結局最後までよく分からない。
特にこの物語のキモ、誰が?をあえてボカして、解釈は観た人に委ねますってタイプ。

解説ページによれば、一応、当初想定したオチでは誰が…で、誰と誰が…だったみたいな話もあるようだが、それだとどうにも途中経過の辻褄が合わない。なので解釈の余地を残したのかもしれないが、そのためすっきり爽快な面白さじゃない、居心地の悪さを感じる。
それが物語そのものの不可解さではなく、語り口・表現ぶりに起因するのが唯一残念なところ。

祈祷師の祈祷儀式は単純に面白いですね。
あと、國村隼さん、素晴らしい役者さんですが、よくこんな役引き受けましたね。その辺が驚きです。
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