シネラー

哭声 コクソンのシネラーのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.0
以前より興味があり、
満を持しての鑑賞。
鑑賞後の気持ちとしては、
疑問や不快感が色濃く残った。

まず、物語の展開や内容に対しての
驚きが一番強かった。
サイコ・サスペンスやサイコ・ホラー
を想像していたが、
中盤以降はオカルトが主軸となる
展開が織り成されている。
『エクソシスト』や『オーメン』が
思い浮かぶような展開には、
驚く一方で個人的に
乗り切れない点でもあった。

物語としては、
信じる事への脆さが感じられた。
オカルトを許容して
本編を最後まで鑑賞すると
一方ではある程度の整合性
が感じられるが、
別の方向では矛盾や疑問が残る結末
が描かれている。
それこそが本作のテーマでは
ないかと思った。
人間的な信用や信仰に至るまで、
信じる事への根拠は何なのか
振り返る切っ掛けになる
内容ではあった。

只、登場人物達の神経質過ぎる描写に
どこか気持ち悪さが感じられてしまい
上映時間の長さもあって、
全編通して観る事が正直苦痛だった。
結末自体が曖昧な事も
観る人を選ぶ映画ではあると思った。

キャスト陣の熱演は素晴らしく、
作品自体に様々な解釈や考察を
する事ができるのは良い点だとは思う。
韓国映画らしく陰鬱な展開が
続いていくオカルト・サスペンスだ。
悪い映画とは思わないが
個人的には好きな映画ではなかった。
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