シマクマ

アリー/ スター誕生のシマクマのレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
4.0
昼はウエイトレスとして働き 夜はバーで歌っているヒロインのアリー
彼女は歌手になる夢を抱きながらも周囲からは容姿も否定され自分に自信が持てなかった
ある日 ひょんなことから出会った世界的シンガーのジャクソンから歌を高く評価される
彼女はジャクソンに導かれてスターへの階段を上り始め やがて二人は愛し合うようになる
しかしピークを過ぎたジャクソンは、徐々に歌う力を失っていく・・・という話





(ここからネタバレ)
ヒロインのアリーはトントン拍子でスターへの道を駆け上っていくのに反して
もう一人の主人公ジャクソンはアルコール依存症やドラッグに溺れ更に持病の難聴が悪化
歌手生命が途絶えそうになっていく
彼はドンドン落ちぶれていく上にアリーの成功を妬んだり
自分をサポートしてくれている兄ボビーに暴言を吐くなど好感が持てない
なんか暗い映画だなっていう印象だったが
後半からその印象が変わってきた
アリーのグラミー賞新人賞受賞の場面でジャクソンが舞台で大失態を起こすも
アリーは彼を見捨てず不変的な愛を捧げ続けるその姿に感動した
その後アリーは彼を愛するあまり海外ツアーを彼の為にキャンセル
ジャクソンはツアーキャンセルが自分のせいだと見抜き彼女から身を引く為に自害する・・・
このシーンが衝撃的だし切なかった
彼の全ての状態が下降線をたどっていたのもあったんだろうけどその決断だけは回避して貰いたかった
二人で幸せになっていく道が探ればあったはずとなんともやりきれない気持ちになった
ラスト ジャクソンがアリーの為に書いた曲を彼のことを想いながらアリーが唄うシーンには感涙

音楽映画ということもあって劇中で使われてる楽曲も優れているし
ヒロイン役のレディー・ガガの歌声がとても素晴らしかった
レディー・ガガといえば普段奇抜な衣装とメイクで電子音がガンガンの音楽を唄う破天荒な印象だったが
この映画の中の彼女はノーメイクで地味な服装シンプルな演奏で唄うスタイルでイメージがずいぶん違った
自分の普段のキャラを封印してでもこの映画にかけるその意気込みを感じた
アカデミー賞で彼女は歌曲賞を受賞したけどそのトロフィーを他の人に見せるも握りしめて決して離さない姿から
この受賞の喜びがどれほどのものかよくわかった
ブラッドリー・クーパーも自分で作詞作曲する曲1つ劇中で披露する才能を見せていて
素晴らしい俳優たちが組んだ秀作だと思います
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