まっどまっくすこーじ

ブラック・ファイル 野心の代償のまっどまっくすこーじのレビュー・感想・評価

3.0
アル・パチーノとアンソニー・ホプキンスの初共演ということで楽しみにしていた作品。

だけどミニシアター系だけの上映でちょっと寂しい…


さて本作「ブラック・ファイル」。

製薬会社の裏を暴こうとする弁護士が思いもよらぬ展開に巻き込まれて行くお話です。

主人公の弁護士を演じるのはジョシュ・デュアメル。
野心家だけど、女性関係には脇が甘い。
そのためにピンチに陥るキャラにはピッタリかも。
ただ、存在感は今いち…(^o^;)

それはやはり周りが豪華だからかな…

主人公の上司にアル・パチーノ!!
相変わらず渋いですなぁ…
だけどここ数年、話題に乏しい気もして…(^o^;)
デニーロもそうですが、所謂大作には出なくなっちゃった。
もっとドーン!!と話題になる作品に出て欲しい~!!(≧∇≦)

本作の悪役、巨大製薬会社のCEOはアンソニー・ホプキンス♪
まあ、ピッタリのキャスティングですな。
ただ今回は役が熟れすぎちゃって新鮮さには欠けます。

そして何故か出てくる殺し屋をイ・ビョンホン。
バイクに乗るときがクールでイケてますな♪

女性陣もアリス・イヴとマリン・アッカーマンという大人向けの綺麗どころを配置してますよ。

さて、これだけのキャストを揃えておいて実際、映画として面白いかどうかというと…

う~ん… まあ、面白いっちゃあ面白いんだけど、期待値を超えることはないですね…(^o^;)

まず、謎を作っていくのはいいけど、回収の仕方が雑に感じました。
脚本をもっと丁寧にすればかなり面白い映画になる気がします。

そしてキャラの魅力を寸止めで終わらせちゃってる使い方。
中途半端な印象が拭えません。

特にイ・ビョンホンが勿体ない!!
だいたい何故、彼の役どころが必要なのかがそもそも分からん…

というような脚本の本作ですが、敢えて今回は前向きに評価したい。

何故かというと、本作は日系二世のシンタロウ・シモサワの初監督作品だからです。

生まれも国籍もアメリカ人ではありますが、流れる血は日本人ですから、自然と応援したくなっちゃうのです。

で、シモサワ監督の演出ですが…

全体的に影の濃い感じの映像で、おそらく照明を特に使わずに、あるがままの光量で撮影しているのではないかと思います。

それが作品全体に、ちょっと不気味な印象を漂わせていて緊張感があります。

カメラは人物への寄りが多い感じ。
面白いのは、撮る対象が人物から人物に移る時に、カットで割るのではなくてカメラが平行移動して撮るのが多いこと。

展開はサスペンスの王道に準じていて、特に目新しさは感じませんでしたが、BGMと合わせて不安感が通奏低音のように蔓延していて、何となくホラー映画っぽい。

ということから、おそらくシモサワ監督はスリラー・ホラーを撮ったら上手そうだと思いましたよ(≧∇≦)

スッキリしたカタルシスを得る作品ではないと思いますが、サスペンスがお好きな方にはお時間あるときに観て頂ければ…


横浜のミニシアターで鑑賞しましたが、ここはいつも観客の平均年齢が高い…(^o^;)
でもシネコンでかからないマイナー作品を近場で観られるにはミニシアターは貴重な存在ですね(*^^*)