にしやん

コレットのにしやんのレビュー・感想・評価

コレット(2018年製作の映画)
3.5
妻がゴーストライターの映画。最近この系統の話多いなあ。その頃の時代背景とか考えるとまだまだ出てくるんかな?
実在した女性作家シドニー=ガブリエル・コレットを描いた映画や。彼女は20世紀前半に活躍したフランスの作家で後にフランスの最高勲章ももろてはるらしい。まあ、フランスの国民的女性作家やっちゅうことやな。
最近演ってた妻ゴーストライターもん2作「メアリーの総て」「天才作家の妻」とテーマは同じように見えても、実はどれも作品の良さはちゃうし、主人公である妻のスタンスもだいぶ違てる。亭主がクズっちゅうはおんなじやけどな。「コレット」の場合やけど、他の2つとは違て、自分の意見を正面から主張していくパワフルさがあって、それがなんとも力強いわ。最初はそこそこしおらしいねんけど、途中からは夫と殆ど対等やし、とんでもないことで夫と競争したりもしてる。このあたりは映画観てもらうとして。多分この夫には文才が全くあれへんかったんやろな。そこが前2つの作品とちゃうな。妻の書いた本が喝采を浴びれば浴びるほど自分の立場なんか無いもんな。まあ、行きつく先は見えてるわな。田舎からパリにこの希有な才能を引っ張り出してきただけで、このおっさんの仕事は終いってことやな。
映画の出来としては、まあまあかな。山場みたいなもんがあんまりあれへんのがもひとつやけど、それでも観てるもんが飽きへんような演出上の工夫がいろいろされてるさかい、最後まで飽きんと観られたわ。ファッションも中々イケてたし。
この「コレット」という人は名声がほしいとか、お金がほしいとかではそういうんでは全くないねん。自由がほしいというのともちょっとちゃうわ。とにかく自分のあるがまま、思うがままにいきたいというでけやった気がするわ。とにかく自由人やねん。こんな人誰も抑えられる訳ない。あんな夫とかでは絶対無理やし、誰も無理やと思う。それだけの才能があるわな。
今から約一世紀前にこんだけ自由に生きた女性がおったんやから、現代の女性はもっと自由に生きてええんとちゃうかな?「皆さんほんまに自由に生きてますか?」ってな。束縛とか抑圧に耐える必要なんかいっこもないねん。「コレット」の生き方がそれを教えてくれてるわ。
それにしても、何で英語なん?
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