フランス映画祭2017でチケット取れず、海外では失神者続出という触れ込みで期待しすぎたかな。
それでも見所は多い作品。
グロ作品に定評のあるフランス映画には、もっとグロい映画いっぱいあるので、そのあたりは期待しすぎないように!
ただ、一緒に観に行った友人曰く、「映像が綺麗なだけに余計にグロさは際立ってた」とのこと。
度が過ぎると「グリーンインフェルノ」みたいにコメディチックになってくるしね。
確かに画面構成やカメラワークは凝ってて拘りを感じられる。
そして色。
青をベースとした色調が、より血の赤を強調させる。
肝心のストーリー。
ベジタリアンとして育てられた少女が、如何にしてカニバリズムに目覚め、その後家族や友人とどう接していくのか苦悩するお話。
言ってみればこれはテーマが異常なだけで、親の言うとおりの良い子ちゃんを演じてた子が自我に目覚めて苦悩するありふれた話。
これが麻薬だったりギャンブルだったり性欲だったりするとホラーじゃなくて人間ドラマになるのかもしれない。
でもこの映画はカニバリズムをメタファーとして、もう一歩進んだ姉妹愛や家族愛を描く。
ラストを踏まえた上でもう一度観返すと違った視線で観られると思う。
そしてこの作品を支えてるのは主人公を演じるギャランス・マリリエの上手さ。
優等生だけど闇墜ちしそうな危うさを、時に純粋に、時に妖艶に、理性と欲望の狭間で揺れ動く様を見事に演じきっている。
この子、角度によって満島ひかりに似てるなぁ。