このレビューはネタバレを含みます
町山さんが大絶賛していたのでとても興味があった作品。
でも正直ハードルを上げすぎたかもしれない。
『人肉食』という行為が、少女が大人のオンナになるという”通過儀礼のメタファー“でもあるという点はとても分かり易いが、氏が仰る『愛についての物語』というテーマ性は正直感じられなかった。
全編何となくアーティスティックな映像も冗長に感じるし、バカ騒ぎしてるシーンばかりなのでちょっと飽きてくる。
でも主人公ジュスティーヌが好きになった男を遠くからじーーっと見つめているシーンとか、生き物から”モノ“にされてゆく犬の解剖シーンとか、全編に渡る不穏な感じはとても印象的だった。
彼女が”あれ“をかじり始めるシーンは『あぁ〜!ソレダメだよ!!』と心の中で思わず叫んでしまった。
こういう独特な雰囲気はハリウッド映画には無いから面白い。
ラストの種明かしからの突然エンドロールという流れは結構好きなんだけど、あのオチだとストーリーが矛盾しないか?
人肉食は母親からの遺伝だったから、それが発現しないように娘をベジタリアンとして大事に育ててきた訳だけど、だったら何で彼女を親の目の届かない全寮制の大学に入れたんだろう。
しかも両親が同じ学校の卒業生だったら、あの新入生の儀式も分かってたハズでしょ?
あんな無法地帯の様な世界にいたらそりゃ人肉食に目覚めちゃうと思うんだが…。
ま、そういうザックリな感じもフランス映画ってことなのかね😥