真田ピロシキ

Death Note/デスノートの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

Death Note/デスノート(2017年製作の映画)
2.7
頭脳戦のはずなのにライトもLも感情剥き出しでクレバーさが欠けるハリウッド版デスノート。ライトの最初の殺人からしてリュークに殺人教唆されてて狂った独善的な正義感が薄くて、神の力を持て余しているちょっと優秀な兄ちゃんという感じ。恋人のミアがヤバいサイコ女でますますライト君は形無し。ミアが興味あるのはデスノートであってライトじゃないだろうし、ライトも一線を越えるまでは彼女と別れたくはなかったようで相当にダメなカップル振りを拝めて、それはそれで面白いけど頭脳戦要素は遠のいていく。クライマックスの大仕掛けも「デスノートってあそこまで状況を操れたっけ?」という疑問が。

アダム・ウィンガードらしさは感じる点があり、最初の頭部切断(初めての殺しにこんな指定するのがなかなかイカれてる)では華麗な殺人ピタゴラスイッチを見せてて以降も残酷ながらユーモラスなキルストリーク。Lとライトの追っかけっこは刑事アクション映画さながらに巧妙なフットワークぶり。改めて頭脳戦は一体どこに。そして音楽もやはりウィンガードの過去作に似たチョイス。日本版では2部作を要した題材を100分で再構築することを思えば悪い選択でもない。