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沈黙の粛清のblacknessfallのレビュー・感想・評価

沈黙の粛清(2016年製作の映画)
3.4
地道に続けてるセガール潰し。
2016年の作品だからセガール、かなりデップリしてる。顔がハリセンボンみたいだし笑
シャーリーズ・セロンに「セクハラ豚!」とディスられたのも納得だね。しかし、おれはセガールのポリティカル・スタンスをことあるごとに絶賛してるから、いずれもっとヤバいミソジニー・スキャンダルが発覚するじゃないかとヒヤヒヤしてるよ、、一応マイ・ヒーローなんで失望させないでほしいな🥺

今回のセガールは元エリート米軍特殊部隊員のロバート・サイクス。
サイクスはギャングの麻薬取り引き現場で高所からギャング達を射殺&1人を刺殺。数分で2組のギャング数人が死亡。
ゴルゴ13的並みの正確な射撃に元特殊部隊としての説得力が漂う。

サイクスが何故違法なギャング狩り始めたかと言うと、アフガニスタンでの任務中、妻と子供が殺される。ギャングの犯行が疑われたが、容疑者が特定できず誰一人逮捕されなかった。ギャングへの復讐ためエリート特殊部隊のスキルをフル活用してギャングを殺していく。
FBIとギャングに追われながらセガールは復讐を果たすことができるのか?

セガールが違法に殺人をするのは意外でセガール版狼よさらば的な趣があるけど、基本いつもの沈黙シリーズだなと思って見てたんだけど、これが以後まったく違う展開を見せ、予想もつかない結末に呆然とした笑
自分が観てきた中ではシリーズ史上最も怪作だと言える。

悪人を襲撃することで大衆の支持を得てスーパー自警員としてヒーローになっていくセガールだけど、標的がギャングから街の市長、そして自警員事件を好意的に取り上げる人気ニュースキャスターに拡大していく。この2人がマフィアと繋がってたりするような悪人ならば命を狙うのは分かるんだけど、そういう描写や説明はない。市長は愛人がいるだけだし、キャスターはワイドショー的なセンセーションを煽るぐらいでハッキリ言って殺すほどの悪人ではない。
狂人に見えるんだよセガールが、これはセガール映画の世界において本来あってはならないことなんだよ!セガールの正義が暴走するなんて笑

それだけでも驚きなんだけど、今作のセガール、実在すら疑わしくなる。一連のギャング狩りに市長、キャスター殺害は実はセガールを追う捜査員の犯行で彼は米軍特殊部隊時代のセガールの部下。セガールの全て知っているからセガールの痕跡を意図的に事件現場に残してセガールを犯人として捜査をミスリードしている疑惑が浮上する!
そもそもセガールを目撃したと言ってるのはこの捜査員だけ。しかし、だとしたら彼は何故そんなことをするのか?

突拍子もなく謎が謎を呼ぶ展開。まるで90年代に流行り量産されたサイコスリラーのような展開に焦った。「えっ!?セガールの映画でストーリー展開が読めないなんてことが!」と絶叫しそうになったよ笑
しかも最後まで観ても謎が解けないんだよ。結局セガールは存在したのか?それとも捜査員の犯行なのか?
とにかく沈黙シリーズ史上初の????だらけの怪作だった。
出来の悪い雑なサイコサスペンスなんだけど沈黙シリーズなんで意表を突かれた快感があった笑

あと、最初に言ったとおりセガール肥えまくってるのでアクションはかなり省エネ笑 トレードマークの合気道アクションは最後にチョロッと。あとは特殊部隊員てことで狙撃や爆弾テロばっかりだった笑

それと沈黙シリーズと言えば入ってると嬉しい、リベラル番長としてのセガールのポリティカルメッセージ。
今回は狙撃して殺した2組のギャングの1つがホワイトボーイズという名の白人至上主義のギャング団。
これはトランプ政権下で増殖し猛威振るったアメリカ版在特会、もしくはアメリカのネトウヨ、『プラウドボーイズ』に因んでると思う。時期もピッタリだし何よりセガールはミソジニーではあるが筋金入りのアンチ・レイシズムの漢だからな💨
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