にょこ

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ギリシャ神話が元になっているらしいのですが、そちらはまだよく知らず。
『聖なる、鹿殺し』ではなくて、『聖なる鹿、殺し』なんですね。

エリートお貴族様は、自分の過失を認め謝罪する、ということを知らんのか。そうか、それはどの国でも同じなのか。

面白かったです。救いが一切なく、登場人物まで不条理なもの久々に観ました。 

序盤の心臓にも驚きますが不穏な空気、音、カメラワークにゾクゾクします。
バリーコーガン演じるマーティン、素晴らしかった。不気味すぎです。駐車場にチラッといるのとかこっわ。

スティーブンとその家族も、上流階級に身を置いて完璧に見えるけど、こうなりたいかと言われたら絶対なりたくない。
みんなセリフも感情が伴ってないよう喋るから余計に不気味なんですね。
全身麻酔とか医者として人として???どうなんだろと思うことが、後半というかラストまで続きます。
この家族は不条理な目に遭っているけど、そもそもこの家族自体も不条理な人間の集まり。嫌な人間というか、本当に不条理という言葉が当てはまります。
親子似てるなと思わせる演出はさすがです。

アナの身の翻し方と、スティーブンが学校の先生にどちらが優秀か聞きに行くのには絶望しましたね。

家族の自分が生き残るための保身を見せられたかと思えば、なんとくるくるバット…じゃなくてくるくるズドォン…外したと思ったらまたクルクル。
そして、可哀想なボブ。1番真っ当かな、って思ってました。こんな小さい子に媚を売らせるなんて悲しすぎて。それももちろん監督の用意した不条理でしょう。
マーティンと1番距離があるのはボブでしたが、それは銃弾が当たったこと、1番先に症状が出たことと関係があるのでしょうか。
にょこ

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