まだ何も起こってない時点で、不協和音が鳴り響いており、不吉な予感しかしない。
ただ、変な表現だけど、これが“心地よい不協和音”なんだよなぁ。
ヨルゴス・ランティモスが何をしでかそうとしているのか期待してワクワクしてしまう。
そんな不協和音だ。
ところで、酔った父親のペニスをこすって射精させたら、めっちゃ大量だったから逃げたっていう話は、笑っていいのかな😅
すごい不吉なタイミングで「コメディ」を挟んでくるから爆笑してしまった。
ファレル・コリンのすべらない話。
そんな、しょんぼりした顔で笑かさないでくれ。
あと、陰毛がない陰毛がないと言って、引き出しひっくり返して、そうだ君の陰毛を使おう、いや君には陰毛がなかった、って何だよあのくだり。
笑っちゃうよなー、さすがランティモス。
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今まで3作見て
『籠の中〜』→不条理ホームドラマ
『ロブスター』→不条理ラブロマンス
『聖なる鹿〜』→不条理サイコホラー
だとして、しかし、ここに通底しているのは、やっぱりコメディなんだろうなぁ。
なんとなく、そんな実感がある。
本作にしたって、誰を殺すか決められないにしても、あんな間抜けな方法で決めるかね笑。
これ、みんな真顔でやってるから面白いんだよなぁ。
恐らく、冥土の土産にこの映画を持ってったら、地獄の底で閻魔大王は爆笑するだろう。
鬼と神々のための形而上学的コメディ。
いや、そうではない、と言われるかもしれないが、事実はどうあれ私は今そんな形でランティモスを捉えつつある。
公開:2017年
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、バリー・コーガン
個人メモ:⭐︎4.0→傑作