<概説>
二人の家族を救うために一人の家族を生贄に捧げよ。生殺与奪の権利を父が手にした時、家族は根底から崩壊していく。古代ギリシアの悲劇をベースにした陰惨な復讐譚、開幕。
<感想>
まずこの作品単品でもいい具合に胸糞悪い。やっていることは最悪なのに、何故か神聖な儀式めいた荘厳な雰囲気があります。
極端な俯瞰視点が徹底した傍観者の視点を視聴者に与え、無意味に陰鬱な感情を煽らない。BGMは私達の感情をなぜか喜びで満たし、ネガティブな法悦で陶酔させる。
視聴者を選びはするものの、見事な最悪加減。
しかし他の方の考察というか注釈を読むとさらに最高の最悪さが味わえます。『アウリスのエピゲネイア』は視聴後に一読するべきでしょう。復讐はそんなに生易しいものではなかった。
『ダンケルク』のバリー・コーガンも不気味で良。