映画大好きそーやさん

猫の集会の映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

猫の集会(2007年製作の映画)
1.8
猫による密かな企み。
本作は、完全に初見の作品でした。
もし猫が自我(と言うより、想像性、イマジネーションと言った方が、本作にはマッチしているかもしれません)をもっていたら、どんなことを考えている(脳内に展開する)のだろうか。これが本作を制作する出発点だったと思うのですが、そこからの発想の飛躍は面白かったです。
猫の毛を細かく描写し、そのうえ背景美術もまるで写真のような写実性をもたせており、アニメーションとしての質も申し分なかったかなと思います。(アートデザイン的には、ジブリ感が全面に押し出されていますね)
デフォルメされたキャラデザになる瞬間もあって、そこも漫画的と言うべきか、アニメならではの演出になっていて良かったです。
ただ、尺の関係もあって繰り返しの描写に対する発展性が乏しく、ワンアイデアをただ提示しただけのかたちになってしまっているのが勿体なかったです。
オチとしてもなし崩し的なものに見えてしまい、どうにも満足感は薄かったです。
テンポの良い序盤と、中盤における猫の集会の場面は悪くないにせよ、それ以降はもっとプロットを練れたような気がしました。
総じて、尺の短さで損している部分はあれど、質の高いアニメーションによって命を吹き込まれた、猫の可愛さが爆発した作品でした!