緑雨

サバイバルファミリーの緑雨のレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
4.0
もっとコメディ色の強いものを予想していたが、ベタを恐れず、家族の再生というテーマにフォーカスしているところに好感。一種の文明批判でもあるが、そこに力点が置かれていないことはラストシーンをみれば分かる。押し付けがましくないバランス感覚が清々しいではないか。

高速道路を自転車で進む姿はとても映画的で、ロードムービーの新境地。通天閣の下での深津絵里の絶叫で物語を転調させる展開の妙。野生化した犬に襲われるシーンの恐怖もよく演出されている。ブタの屠殺や、水族館の件りなど、ちょっと踏み込んだシーンの加減もちょうどよい。小日向文世のヅラネタもクドくなる一歩手前。
緑雨

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