やし

サバイバルファミリーのやしのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
4.0
ファンタジーか?現実か??


『ハッピーフライト』、『WOOD JOB!(ウッジョブ)』の矢口史靖監督作。

働く人へのリスペクトとリアルとエンターテイメントを完全な配分でミックスした映画を作ることが出来る、大好きな監督だが、
これらの作品に比べると本作のエンターテイメント性はやや低め…

だけど、これは皆に観てもらいたい。


ある日、都市に未曾有な大規模停電が起き、人々は都市でのサバイバル生活を強いられることになるーーー
…ってなストーリーだけど、予算たっぷりのハリウッド製SF映画ではないので、本作は単に"非日常"生活における一つの平凡な家族を描いたもの。


本作を観ると、如何に(一部の地域を除いた)日本のほとんど全てがインフラに頼り切った生活をしているのかが分かる。

非日常性バイアスはあるにしても、人間とは如何に想像力が乏しい生物なのかが分かる。

いくらバカな自分でも分かった。

今の生活は永久に続かないし、それに気付いたときにはもう遅いということが。



日本でそんな大規模な停電なんて起こらないでしょ(笑)
なってもどーせすぐに復旧するでしょ(笑)
…と考える(自分も含めて)99%の人に観てもらいたい。

本作のエンディング前でゴミと一緒に道路に落ちているものを見てほしい。


今の世界にピッタリの映画。

矢口監督はやはりスゴイ。



そして…
小日向文世と深津絵里は夫婦に見えない。。
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