「僕を追い出してもいいよ」
『荒野にて』なんとも素晴らしい邦題。
まるで荒野のような、少年に無関心な世界を馬と共に生きる少年。
競走馬にとって足の故障は死に直結する。G1を何勝もしたような馬でも足を骨折したら安楽死処分となる。
馬体重が500㎏近くあるため、一本折れてしまうと体を支えることが困難になり種々の病気を併発してしまうからだ。生きているより辛い思いをするから、楽にしてあげる。
生きているよりも辛いこと。
少年にとって生きているよりも辛いことが次々に襲いかかる。
それでも人間は生きなきゃいけない。
生きるために飯を食わなきゃいけない。
金を稼ぐために働かなきゃいけない。
少年にとって世界はまさに荒野だ。
この手の映画を観るたびに思い出すのが『お金のいらない国』という本
とてもオススメなので是非読んでほしい。読書慣れしている人なら30分で読み終わる。
誰かの胸に泣きつけるような、そんな新しい時代になってほしいなぁ、と元年初日に思う。