15歳。なんで自分ばっかりと泣き出してもおかしくないことが起こっても、そこで身動きがとれなくなるほど幼くない。かといって後先を冷静に考えられるほど成熟もしてない。あの頃って平穏に暮らしててもちょっとしたことで家を飛び出したくなるし、自分が居心地良く過ごせる場所はどこか他にあるはずと夢想する。犬でも猫でも、愛情を持って接し心のうちを吐露できる相棒がいるというのは強いし、それが奪われるとなってはあの逃走は15歳の少年にとっては当然の選択だったのでしょう。シンプルに窃盗じゃねーか、ってのはね、無粋なんで心にしまっときましょう。ピートを失って万事休すかと思いきやアッサリ逃げられるなんてポリスメン危機管理ガバガバやがねってね、言わんといてあげましょう。先々で親切な人に気をかけられ助けられ、なのに馴れ合わず相棒ピートと会いたい人を目指し荒野を行く。邦題のせいでINTO THE WILDを重ねてしまって、父親の形見レザーカービングのベルトときてバットエンドがよぎったけど杞憂でよかった。
