らんらん

安城家の舞踏會のらんらんのレビュー・感想・評価

安城家の舞踏會(1947年製作の映画)
4.0
かつては名門華族として栄えた安城家も、華族制度の廃止により消えゆく運命
近々屋敷も人に渡さなければならず没落の一途を辿っていた
そして安城家最後の晴れ舞台として多くの人を招待した舞踏会が開かれることになる
その舞踏会で繰り広げられる人間ドラマをメインとした物語

安城家は父の滝沢修、長男森雅之、長女逢初夢子、次女原節子からなり
父の姉や弟、執事?の殿山泰司、その他女中さんたち、父のお妾さんも登場する

華族という制度は無くなってもプライドだけは高い父や長女
家を売らなければならないのだが、原節子が紹介する安城家の元運転手の男には頭を下げられない
古くからの付き合いである実業家?清水将夫を頼るのだが、清水はそれまでその威を借りて世話になってきたはずなのに冷たい態度
清水将夫の娘の津島恵子は森雅之と結婚の予定があったのだが、それすらお断りしてくる
津島恵子はモリマに惚れてるんだけど、モリマのほうはそうでもない、家のことも女性のこともなんかテキトーで冷めた皮肉屋
モリマが津島恵子に往復ビンタを受けるシーンは必見

元運転手の男は、安城家の長女に長年想いを寄せているのだが、長女のほうは生理的に無理!って感じに嫌ってる
手を握っても「汚らしい!」と拒絶される

華やかな舞踏会なんだけどその内情は様々な感情、思惑入り乱れるドロドロしたお話なの
この状況、時勢なだけに招待客のほうも冷ややかで好奇の目で好き放題囁き合う

そんな中で唯一の清純キャラはもんろんこの人、原節子!
頼りない家族たちを見かねて家のことを切り盛りする
とにかく「〜あそばせ」口調なお嬢様!なんだけど、しっかりしていて家族想いで、こんな家族たちの中からよくこんないい子が、と思う
個人的な見所は原節子の珍しいアクションシーン!滝沢修に全力ダッシュからのタックルをお見舞いするw

まとめ!
劇中の招待客と同じような気持ちで見れる映画
リアリティはあまりないけど、このドロドロさ、人間模様は面白かった
あくまで自分は第三者ってのが前提だけどね、関係者だったらグレるw
安城家の人々がどうやって暮らしていくのか、その後が気になる作品でもありました
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