鰯

汚れたダイヤモンドの鰯のレビュー・感想・評価

汚れたダイヤモンド(2016年製作の映画)
3.6
底のない鏡に呑み込まれて

強盗で生計を立てていたピエールは、ある日長年会っていなかった父が亡くなったとの連絡を受ける。葬式の場で親族と対面した時、ピエールは父を傷つけ見捨てた伯父への復讐を目指す

なかなかしんどかったです。観終わってみると心地悪いしんどさではなかったですが。遠巻きの風景とかほとんど出てこなくて、ものすごく窮屈で閉鎖感を感じるんですよね。息苦しさとでも言えば良いのでしょうか。シーンが変わるたび「ふー」と一息つく感じです。役者さんでは、伯父の息子(ピエールの従兄弟)ギャビー役の人がすごく良かった。

古典映画なり古典文学に明るくないのですが、説明し難い古典っぽさがあるんですよね。絶妙に古いんだけど、長く観られる作品になりそう

全然話変わりますが、オープニングと鑑賞後にブレードランナーを思い出しました。2049じゃない方です。主人公への感情移入できない具合と目の使い方、それと聖書や神話への目配せを感じるところかな。女性への迫り方の怖さはデッカードに通じる部分を感じた。
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