各駅停車並にゆっくりと丁寧につむぐ冒頭。
パパと娘の涙のホームドラマかよっと思うほどウエットに開始するが、高速鉄道に乗ってからはもうほんとにノンストップ。
「おもしろい」のスピードがどんどん上がる。
ゾンビやパニック映画として捉えたらグロ描写や危機の連打の展開などもうちょい欲しい感じもあるが、映画の軸足はそれらでなくて極限状態における人間性。そこが単純に力強いし引き込まれる。人に対する先入観が裏返るのもおもしろさの一つか。
現実社会では糞みその世の中なんで、せめて映画の中だけでも男前の在り様を見たいと作り手は切望したのか。
コントみたいな「いかにも悪い人」の恰好のマ・ドンソク。
その奥さんが綺麗な人。なんでこんな男がこんな女性と結婚出来るんやと不条理を嘆いているとその理由がわかる。
あんたやったらどんな美女とでも結婚できるわ!と胸熱。
