むくむく

ダゲール街の人々のむくむくのレビュー・感想・評価

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)
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香水屋の奥さんがずっとどこか痛みを感じているような表情。
接客もせず店の商品整理や調香をやっている様子もない。ご主人は「妻は夕方になると外へ行きたがる」と語っていたが、ほんとに夕方だけなのだろうか。
途中までは街の人々の表情や生活を味わっていたが、手品と人々の生活が呼応する演出にザラっとした感触を覚えた。ラスト近くの自動車教習所の男性と生徒の女性の手がハンドルの上で重なるショットはかなり冷徹な視線だと思う。
今もこの街には政治の話が不要な中立地帯が存在するのだろうか。フランスを知ってると観方が変わってくる作品。私は入口で立ち往生しただけでした。