ゆりへなちょこ

ソウル・ステーション パンデミックのゆりへなちょこのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

先に公開された「新感染 ファイナルエクスプレス」(なかなか慣れないこの題名、やっぱ原題の「釜山行き」の方が好き)の前日譚の「ソウルステーション・パンデミック」を観に。

監督のヨン・サンホは元々社会派アニメーション作家で、「新感染」が初めての実写映画に挑戦したのに対し「ソウルステーション・パンデミック」は元の畑のアニメで描かれていた。
最初なかなか絵に慣れなかったんだが、ちょっと単純?な感じの絵がホームレスの弱々しさやゾンビの恐ろしさを際立たせてて良かった。
ゾンビへ勇敢に立ち向かう新感染とは対照的な話で、貧困にあえぐ社会的弱者達が主役。どこまでも絶望しかない。
光りが見えた先も結局絶望、逃れられない。彼女は生きてても絶望しかなかったから、死んでゾンビになって復讐できて良かったのかも、って思ってしまった。

弱者の事など誰も気にしないし、言葉には耳を傾けない信じない。
何かあれば抹殺する、それはきっと韓国だけではなくてどこの国も同じだろう。
新感染が人類に僅かな希望を与えてくれるエンターテイメント映画なら、ソウルステーション・パンデミックは人類に現実という名の絶望を見せてくれる映画だと思った。新感染で感動して観に行くととんでもない目に合う。
ただ多分現実はこっちだよね。
音楽も不快な音みたいなのがすごく良かった。

ゾンビが街に放たれたいざという時の為に腹をへこませて腕力を鍛えようと心に誓ったのと、「志村うしろ!」ばりに「開けた扉は閉めて!ゾンビ!」と叫びけたくなるのを何度かグッと堪えた。
扉閉めたら多少時間稼げるから!!